家のドアをあけてどんなにか驚いたことか、
朝あんなに笑顔で見送ってくれた白雪姫は床にばったりと倒れていました。
身体をゆさぶったりしましたが、いくらやっても白雪姫は目覚めませんでした。
翌朝ガラスの棺を用意すると姫を横たえ、
その身のまわりに摘んだばかりの花を棺から溢れるほど飾りました。
小人たちはただ泣くばかりでした。
そこへ身なりのよい若者が悲痛な泣き声を聞き付け棺で眠る白雪姫を見つけました。
”なんという美しい女性だ"
王子は見たこともない神々しいまでの美しさに声も出ず跪きました。
そんな王子や小人たちの様子も知らず白雪姫はただ静かに眠っているばかりでした。
王子はいたたまれない想いでガラスの棺から姫を抱き起こすと紅い唇に口づけました。
*冷たい棺を包む木々から降りそそぐやわらかな光。 なかには姫をなぐさめるため赤い花びらがふりまかれています。