おばあさんが作ってくれたビロードのちいさな赤いずきんをかぶっていたので、赤ずきんとよばれていました。
バスケットにおいしそうなワインとケーキをいれて、おばあさんの住んでいる森のおうちへでかけていきました。
しばらくあるいているとおおかみのおじさんに声をかけられました。
「こんにちは、赤ずきん。どこへいくんだい」
「こんにちは、おおかみさん。いまからおばあさんのおうちへワインとケーキをとどけにいくのよ」
「あっちにきれいな花がたくさん咲いているから、つんでおばあさんにもっていってあげたらどうだい」
「お花をもっていってあげたらおばあさんがよろこぶわ。教えてくれてありがとう、おおかみさん」
*大人っぽい表情がかわいい赤ずきんです。赤いフードをぬいでいるところも珍しいですね。木のうしろからはおおかみの視線が感じられるようです…。 アンティークな布とあわせてみると、いっそう古い絵本を手にとって眺めているような懐かしさがあふれてきました。
あるひのこと、赤ずきんは病気のおばあさんのおみまいにいくようおかあさんからたのまれました。
むちゅうでお花をつんでいる赤ずきんをおおかみは木のかげからじっと見つめておりました。