一人は美しくて働き者でしたが、もう一人は醜くて怠け者でした。
母親はこの怠け者の実の子ばかりをかわいがり、もう一人の娘には家じゅうの仕事をさせていました。
指が血まみれになり、血まみれの糸巻きを洗おうとしたとたん、糸巻きは井戸の中へ落ちてしまいました。
娘がそのことを母親に告げると、母は怒って言いました。
「糸巻きはおまえが落としたのだから、拾っておいで。それまで家に帰ってきてはいけないよ」
それで娘は糸巻きをとってくるため泣きながら井戸に身を投げました。
そしてそのまま気を失ってしまいました。
*ひとり佇む翳りのある横顔が神秘的な少女。 ずっと見つめていると深い緑の森のなかにとけこんでしまいそう。
入った井戸の中には素晴らしい光景が広がっています。
ある未亡人に二人の娘がありました。
この娘は、いつも井戸のそばで糸を紡がされていました。
気がつくと、娘は美しい草原にいました。