手鏡

美女と野獣の魔法の鏡



ある日、ベルが例の鏡を見ていると、ベルがそばにいなくなったために悲しみのあまり病気になった父親の姿が見えたので、それを野獣に話すと、野獣はベルにこう申し出ました。

「わたしからけっして離れない、とわたしに約束をしなさい。」

「もちろん、ぜったいあなたのところから逃げ出さないとお約束をしますわ。でもあたくしどうしてももう一度お父さまに会いたいんです、

それにもしあなたがこの楽しみをいけない、なんておっしゃったら、あたくしは悲しみのために死んでしまいますわ」

「そんなことになったらむしろわたしのほうが死にたいくらいだよ」と野獣が申しました。

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『美女と野獣』(ボーモン婦人 鈴木豊訳)角川文庫P.23、24より



鏡の縁取りが蔓薔薇のようになっている美しい真鍮製の手鏡です。

また持ち手部分には一輪の薔薇がついていて物語を連想させます。

じっと見つめていると不思議なことが起きるような気持ちがします。